どうもQ一郎です。
今回はまた私の好きな漫画を紹介させていただきます。
題材はタイトルの通り、「一色伸幸」様原作の「僕らはみんな生きている」です。
本編に入る前にちょっとだけイントロというかプロローグというか・・・。
私が最初に見たのは漫画からなんですが、こちら伝説のエロ漫画作者「山本直樹」様が描いておられます。タイトルに惹かれてコミックスを購入した私ですが、山本直樹氏の描くエロティシズムの世界観にハマって、山本直樹氏の作品を買い漁ったのは言うまでもありません。
この「僕らはみんな生きている」実は映画化もされていて、
真田広之さん主演、山崎努さん、岸部一徳さん、嶋田久作さん、ベンガルさんなどやばすぎるキャスト構成で、漫画に負けず劣らずとても面白い作品でした。
映画作品ではエロ要素は完全に削られていて、風刺を特に感じるように作られていました。個人的には伊丹十三作品を彷彿とさせる名作でしたね。
広告載せてますけど、どうやらプレミアがついてるところもあるみたいなので、興味がある方はまずはレンタルで試聴してください。
ざっとご紹介しましたが今回は「山本直樹」風味が存分に入った、私が興奮、感動、虚無を感じ、作品にめいいっぱいのめり込んだ「僕らはみんな生きている」漫画版を参考にして、みなさんにご紹介させていただこうと思います!それでは本編。
高橋
大手建築会社に勤める高橋は順風満帆な生活を過ごしていた。
恋人の美由紀にエレベーターでのキスとともに別れを告げ、タルキスタンへと出張に向かう。
美由紀が思ったのは離れることへの寂しさではなく、開放感であった。

高橋は飛行機内で隣に座る外国人に、声をかけられタルキスタンを少し知ることになる。
「なんでまたあんな国へ?」
ビジネスでと答える高橋にバングラデシュをホームと呼ぶ、浅黒い外国人は話し出した。
「うちも結構悲惨だけどさ、タルキスタンはそれどころじゃないらしいよ、クーデターやテロはしょっちゅうだし、ジャングルと湿地しかない世界で3千万人の貧乏人がひしめき合ってるってさ」
一年の半分以上を東京で過ごすという隣人は流暢な日本語で高橋に伝える。外国人労働者をすべて単純作業労働者と認識していた高橋はすこし面食らった顔を出してしまった。
タルキスタンを不安に思いながら飛行機は中継地点のバングラデシュに到着する。
隣人は別れ際に「住めば都」と日本人に慣れ親しんだ言葉を高橋に送る。高橋は隣人の気づかいにより不安を感じたが、「たったの五日間だしね。」平静を保つため高橋はつぶやいた。
中継地点のバングラデシュの空港で高橋は飛行機を乗り換えた。
機内の乗客を見て高橋は青ざめた、乗客のほとんどが軍人で、手には銃が添えられている。
日本ではお目にかかれない光景、あまりにも日本とはかけ離れた現実に夢を見ている最中と思ったか、長旅の消耗なのか高橋はそのまま眠りについてしまった。
タルキスタン タルク国際空港 AM 9:00
目が覚めた高橋が最初に思ったのは暑い、日本では感じられないような湿度と暑さ。寝起きの高橋はまだ夢と現実の間を揺蕩っていた。
現実とすら実感できないまま、指先の代わりに銃を突きつけれられ進行方向を示される。
恐怖と寝ぼけが混じったまま、高橋は車に乗る。
空港とは名ばかりの野原を後にした高橋は、空港からの中継地点へと運ばれる。
そこには空港よりも上等な建物があった。銃を突きつける案内人に従うまま高橋は中に入る。
中に入るとそこには見慣れたネクタイ、聞きなれた言語で高橋を迎える人物がいた。
「ようこそ、タルキスタンへ。支店長の中井戸です。」
夢見心地の高橋だったが、見慣れた景色がビジネスマナーを思い出させる。
高橋「○○課の高橋です。あ、えーと、短い間ですがよろしくお願いします。あ、あの、これおみやげ・・・」
つたない高橋の会話を遮るように中井戸は言う。
「こういった国は初めて??」
高橋は中井戸の言葉をプライベートな質問と捉え、到着するまでに育てた不安を包み隠さず吐き出した。
高橋「銃を持ったとたん、人はあれだけ高圧的になるのですね。抵抗できない弱者を見てあいつらは笑っているんだ。僕は許せないな。」
慣れ親しんだ日本人を見て安堵からかとめどない不満を中井戸に話し出す。
中井戸はそんな高橋をおしゃべりな奴だと評価し、高橋を連れ歩き続ける。
おしゃべりな奴という評価が不満な高橋は弁明しようと必死だったが、意に介さず中井戸は歩き続けた。
その時、高橋は「マネイ!マネイ!」と叫ぶ子供たちに囲まれる。急な出来事で慌てふためく高橋をよそに中井戸は急に通常業務にもどったかのように冷めた目線を高橋に向け
「用意しとけ!常に」高橋に伝えた同時にポケットに潜めた小銭を遠くに投げつけた。
子供が小銭を拾い出すと「ぼやぼやするな、急いでいくぞ」と高橋に伝える。
冷静さを欠いた高橋に伝える適切な指示だったが、高橋の反応は意外なものだった。
高橋「じゃあ、僕も。あっちだよー!」
と叫びながら小銭をばらまきだしたのだ。
高橋は異境の地で上司に適応力を見せたかったのか、真意の程はわからないが、楽しそうに小銭を投げつける高橋を、周りにいた現地の大人、中井戸、通訳兼運転手で雇われたセーナたちの高橋に送る視線が変わった。
通訳兼運転手のセーナ
小銭を求める子供たちの群れを抜けると、中井戸が用意した車と現地人らしき女性の運転手がいた。
「運転手のセーナだ」中井戸はぶっきらぼうに紹介したが、
高橋は現地人運転手のセーナのことは気にかけず、暑いですねと汗をぬぐう。すると
中井戸はセーナを殴った。
「車に腰掛けるんじゃねぇ、何度言ったらわかるんだ!?」
セーナ「腰かけてないよ」
言い訳はいらない、中井戸は問答無用だった。
呆気にとられた高橋だったが、ようやくと我に返り殴られたセーナを心配する。絞り出た答えはhow do you do? 数秒時間が経った頃、セーナは血の付いた口を開いた。
セーナ「タバコある?」
1巻P29まで
後書き
全然ショートにできませんでした、予想以上だ、一巻すら終わらねぇw
最後まで書きますので、なにとぞ次回に続かせてください。
続きはこちら
僕らはみんな生きている[1-2]
それじゃあへばの!
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