僕らはみんな生きている[1-2]一色伸幸様原作、山本直樹様作画のコミックを紹介させてください。~アラフォーフリーターのすべて~

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どうもQ一郎です。
軽い気持ちで漫画を文章化しようと思いましたが、前回は1巻の29Pまででした。長編ブログの予感w

というわけで
僕らはみんな生きている」の前回の続きです。
僕らはみんな生きている[1-1]
僕らはみんな生きている[1-3]

車に乗った高橋

セーナの運転で高橋たちは宿舎へと向かう。

1日近い旅路の後、日本人またはより近しい、初見と言えど、同じ会社の人間に会った高橋の緊張は完全に溶けていた。

車内での高橋の言動は流暢に饒舌に、悟りを開いた仏陀のように周りを説き伏せ黙らせていた。

高橋「いやあ好きだなぁ。こういう原始的な雰囲気。なんというかナマですね、ナマモノの人間が生き生きとうごめいてる感じだなぁ。
これに比べると日本人は完全殺菌のレトルト食品、同じ人込みでも日本人はどこかよそよそしくて、作り物っぽくてこうも違うものですかね?」

セーナの雰囲気が少し落ちた後、
ウィスキーを飲みながら、何度も使いまわしたセリフのように中井戸は言った。

中井戸「そうか、そんなに気に入ってくれたなら、タルキスタンの時期駐在員は高橋君を推薦しちゃーおーかなー」

高橋「やだなぁ中井戸さん、冗談きつい」

高橋は短期出張でタルキスタンに来ているだけ、異世界の主任の中井戸を別世界の人間と捉えていた。この時、中井戸がどう感じたかはわからないが、傍目に見て、高橋の上司に対する配慮は確実に足りていなかった。

会話を遮るようにセーナがハンドルを大きく切った、大きく揺れる社内に高橋は動揺してスピードメーターを見た。メーターは60を指している。

高橋「舗装が悪いと60キロが100キロぐらいに感じますね?」

中井戸「キロじゃない、マイルだ。(時速60マイル≒時速96キロ)」

セーナは構わず車を進める。

オリエンテーション

宿舎へと向かう途中、高橋が目に映った光景を戦争が始まるのですかと、中井戸に聞いた。
中井戸は言う、パレードだよ、まだ3周年だがな、盛り上がってるのは軍関係者だけだしな。

中井戸の指示でセーナは道中に車を止めた。車から降りた高橋の眼前に広がるのは大きな川だった。

中井戸「革命を起こしたムィニット将軍が政権を掴んで3年目、やっと日本の援助も本格化する、その第一弾が俺たちがここに架ける橋だ!」

高橋「俺たち??入札来週ですよね?」

中井戸「俺たちが作るんだよ!」

急激に語気の上がった中井戸の発言に高橋はうろたえた。

うろたえた高橋を見向きもせず、中井戸は脳内プランを語りだした。

中井戸「来週のプレゼンが全てなんだ、やっとここまで来た、ウチとIBC、金曜の技術者プレゼンが最後の勝負なんだ。」

ひとしきり言い終えた後、本来出張要請をかけたのは、高橋ではなく、高橋の上司である袴田係長を要請したんだがなと付け加えた。

高橋「いやぁほら、課長はベトナム沖の石油プラントの件で忙しくて」

中井戸「高橋君は優秀なんだねぇ、課長代理かー」

高橋「この程度のプロジェクトなんで、任されたんですよーw」

中井戸「この程度・・・」と

言いながら中井戸は過剰に汗をかき震えだした。

高橋「どうしました?顔色悪いですよ??」

空気を読まない高橋はさらに追い打ちをかける。

中井戸が無邪気な初めての海外出張社員に叱責を投げようとしたとき、遠くから現地民の怒号が届いた。

後進国の援助とは?

高橋は突如の出来事に固まっていたが、中井戸から橋が出来たら便利になるから感謝してるんだ。と伝えられ、怒鳴り声と感謝の言葉も判断できず納得してしまっていた。

止まらない現地民の怒号にやっと心配になったとき、現地民から中井戸の方を振り返った。

高橋「大丈夫ですか?中井戸さん」

汗と震えが止まっていない中井戸を心配して高橋言ったが、

中井戸「うるさい」

ウィスキーを水のように飲み干した中井戸はすべて嘘だと開き直った。

中井戸「あれが感謝してる様に見えるか?橋を作る金があるなら井戸を掘れって言ってんだよ!戦車を運ぶ橋を作る金があるなら、井戸を一本掘れとわめいてんのさ。」

中井戸「この辺の奴らはみんな雨水飲んで生きてる。歓喜になれば病原菌と寄生虫だらけの川の泥水煮て飲むしかねぇ!
井戸一本あるだけで死ぬ子供も死ななくて済む。」

高橋「じゃあ、井戸を掘れば?」

中井戸「馬鹿か!?井戸じゃ金にならねーんだよ。
ニッポンが援助した金をニッポンのカイシャが持って帰る。ODA(開発協力)ってのはそういうことなんだよ。」

頭ではある程度理解していることを、上司から面と向かって言い切られた高橋は困惑を隠せずにいた。中井戸は悪びれず続ける。

中井戸「てめぇもその味方じゃねぇか。いまさら偽善者ヅラすんじゃねぇよ、バカ。」

ひとしきり言い終わると自身が持っていたウィスキーを高橋に無理やり持たせる。

中井戸「飲め!そして今俺が言ったことをすべて忘れろ!!」

つべこべと言う高橋に中井戸は続けて命令する。

中井戸「忘れるの!貴様はプレゼンに勝つことだけを考えてりゃいいんだ!!
プレゼンでヘマしたら俺の代わりにタルキスタン駐在員を一生やらせてやる!」

突然の出来事にまだ状況を飲み込めない高橋だったが、精いっぱい平然な振りをして「冗談きついですよ~」と中井戸に言ってみたが、逆に中井戸の逆鱗にふれ、鬼気迫る表情で「冗談だと思うか?」と詰められ、理解するしかない状況となってしまった。

諦めたように、高橋は中井戸から渡されたウィスキーをあおった、すぐさまタバコを吸おうとしたがいつのまにか、高橋のタバコはセーナが吸っていて、高橋の手元にはなかった。

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1巻P44まで
今回はここまで、それじゃあへばの!

次回
僕らはみんな生きている[1-3]

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